なんでもない日々。

日々の思いや気づきなどを雑多に書きます。

怒りが湧いた出来事。

昨日は仕事で悲しくなるようなことがあって少し気分が落ちていた。簡単に言うと、私の担当している患者さんが医療ミスで命の危険に晒された。

ミスをしたのは栄養士さんだった。患者さんに本来提供されるはずの食事と違う食事を提供してしまうというミス。

これの何が問題かって、その人には嚥下障害(食べ物を食べたり飲んだりする力の障害)があったこと。能力的に食べれないものが出てきたらそれは誤嚥や、最悪の場合、窒息につながる。しかもその人には認知症もあって自分に提供された食事がいつもとは違うということに気づくことも難しかった。

ミスは一昨日の夕飯時に起こり、 案の定間違えて出された食事を患者さんはそのまま食べてしまった。配膳をした看護助手さんや看護師さんが気づいてあげれたなら良かったのだけど、人員の少ない夕食時の出来事で誰も気づけなかったらしい。

ただ、不幸中の幸いにもその人の嚥下障害は比較的軽度で、なおかつ食べれないものを無理に食べようとはしない人だったので窒息や誤嚥による肺炎を引き起こしたりはなく事なきを得た。

…なんだけど。

最悪なのはそのあとだった。

翌日、ミスをした栄養士さんから私のPHSに連絡があった。かくかくしかじかでミスをしてしまいました、すいません。でも患者さんは無事ですのでと、そんな内容の報告だった。

私は内心驚いたけど起こってしまったことを今さら咎めるのも気が引けて、その場はわかりましたと返答した。

それからすぐにその患者さんのカルテを開いてみたら、栄養士さんの書いた記載があった。そこには、ミスをしたことについてと、それを私と看護師に報告したということが書かれていた。

読んだ瞬間、嫌な感じがした。

この人、もしかして患者さんに謝ってないんじゃないかなって。

予感は的中で、病棟の看護師さんに聞いたら、看護師に向けては内線電話でミスの報告があったけれど患者本人への謝罪はおそらくなされていないと。

なんだかモヤモヤしながらも、忙しいから後で謝りに行くつもりかもしれないと思い直した。

その後、昼食の時間になり、配膳ミスのあった患者さんの様子を見に食堂へ行ったら、少ししてから例の栄養士さんがやって来た。

私はきっと謝りにきたんだと思い、栄養士さんの動向を見守っていた。すると栄養士さんは何かを確認した後、私と患者さんをチラッと一瞥し、そのまま去っていってしまった。

え……なんで???

心の中に、?マークが渦巻いた。なんでここに本人がいるのに何も言わないの?なんで?

理由は明白だった。

認知症があるから。

言ってもわからないだろうから謝る必要などないと、要はそういうことなのだ。

そこに思い至った瞬間、心に沸々と怒りが湧いてくるのがわかった。そしてあまりにもやり切れなくて、ついその場にいた別のスタッフに愚痴ってしまった。

なんであんなことできるんですかね?って。その人は助手さんで、配膳ミスがあったことも知ってたから、謝らないなんてあり得ないですよ!と同意してくれたけど、運の悪いことに私が普段少し苦手に思ってる同職の先輩もその場にいて、イキサツを聞かれて話したら、同意はしてくれたけど普段怒らない私が怒ってるのが可笑しかったみたいで「そんな怒るってよっぽどやなー」と笑われてしまった。

それにも少しモヤッとしてたのだけどその先輩が「ちょっと栄養士さん呼び出したろ」と内線で栄養士さんを呼び出し、それによってその場で栄養士さんから本人への謝罪はなされた。

患者さんは謝罪に対し「ええよええよ、ご飯、いっつも美味しく食べてるよ」と笑顔で返してあげていた。

私は私で栄養士さんに、「認知症だからといって何もわかってないなんてことないんですよ。うまく伝えられないだけでいつもと違うことに違和感を感じてたりもありますし。カルテには私や看護師さんに報告したということだけじゃなくご本人に謝罪したという一文も入れた方がいいと思います」と伝えた。

栄養士さんはその場ではわかりましたと言ってたけど、案の定、その後のカルテに本人に向けて謝罪した旨の記載がなされることはなかった。

昨日はそんなこんなでドッと疲れて気づけば寝てしまって朝だった。

いろんな人がいる。

それが人間の住む世界というものだから。仕方がない。

それでも今朝は気持ちを切り替えて仕事に行った。職場に着いて早々、リハビリ科の主任に「今日はもう怒ってないの?」と聞かれた。

思わず、「何のことですか?」と聞いたら、昨日の現場に居合わせた同職の先輩が、私のいない場所で他のスタッフに向けて、普段怒らない私がめちゃくちゃ怒ってたことを面白おかしく触れ回っていたらしい。

正直、呆れた。

「いやいや、私だってしょっちゅう怒ってますよー。苦笑」と言ったら、そんなイメージ無いけどなぁと言われた。

…もうホント、朝から萎える出来事だった。

子どもの頃からずっと、私はなぜか知らないけど怒らない人間と見なされていて、ちょっと怒っただけで過剰に驚かれ、こうしてネタにまでされる。

今さらだけど生きにくさを感じる。。

まぁ…でも、いっか。こんなこと気にしなくてもいいよね。むしろみんなのブレイクタイムの面白いネタになったんなら良かったわ。

怒らない人間が怒ったことの何が面白いんかは正直全くよくわからないけれど。

はぁ…。もしかするとだけど、今日のこれ、愚痴かな。

…紛れもなく愚痴ですね。笑 読み終わった人はすぐさま全部忘れてもらえたらと。

 

今日は満月で月が綺麗だった。

 

これはヒルザキツキミソウ。この名の由来、昼には見えないはずの月を見ているということなのかな。綺麗。

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